オランダ語学校に通うようになったきっかけ

オランダ語学校に通うことになったキッカケは、知り合いにロッテルダム市が海外からの移住者を対象に無料で語学学校に通わせてくれると教えてもらったからです。

この学校に通える条件は、ロッテルダム市に住民票を置いていること。他の街で同様のサービスをしているかは、それぞれの市政窓口やサイトなどで確認が必要です。

さっそく対象となる学校にサイトからアプライ。数週間後にまずは学力テストをするので指定日時に受けに来てくださいとのメールが来ました。

学力テストは筆記とパソコンで、オランダ語の基礎知識を試すものとIQテストでした。なぜIQテストかというと、受験者の中には母国の教育事情でまともに読み書きができない人たちもいるからです。

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パソコンでのテスト時にDigiDによる認証ログインが行われます。そこで市の教育を受けられるビザなのかが判別されます。テスト後、数週間したら学校からメールがあり、クラスがスタートする日時が知らされ、正式にオランダ語学校に通うことになりました。期間は1年です。

 

A2クラス
最初はA2レベルからスタートしました。夜間クラスで6時半から9時半までを週2回(日中のクラスもあり、こちらは2時間が週3回)。ロッテルダム市がお金を出しているので、出席率80%をキープすることが求められます。

クラスメートは20名程度で先生は2人体制。メンターとアシスタント。

クラスメートの国籍は北から順不同で挙げていくとロシア、ポーランド、スペイン、イタリア、ブルガリア、ポルトガル、ギリシャ、モロッコ、アフガニスタン、パキスタン、メキシコ、シンガポールと言った面々。

授業はもちろんオランダ語で進められ、周りの生徒もけっこう喋れるので最初はけっこうしんどかったです。

学校が始まって数週間でロックダウンが始まり、オンラインレッスンに移行。オンラインではクラスメートとの交流も制限されるので、正直つまらなかったです。

が、夏になり学校でのレッスンが復活。さらにありがたいことにサマースクルールに通えることなりました。やはり現場レッスンの方が、クラスメートとの交流も盛んで、今でも家族ぐるみで仲良くしている友人がいます。

夏休みが終わった時にA2の試験を受け無事に合格して、A2クラスが終了しました。

 

B1クラス
A2が終わってから数ヶ月して、学校からメールが来ました。B1クラスが始まるので指定日時に学校に来るようにという通知です(ちなみにその時はオミクロンが猛威を振るいはじめた時期で、翌週にはロックダウンが再度始まっていました)。

しかし私たちは日本に一時帰国しないといけない事情があり、次のクラス開始のウェイティングリストに追加してもらいました。

新たに招待状が来たのは、年が明けて3月でした。ロックダウンが終わり、学校でのレッスンができるようになった時期でした。

クラスが開始する前に契約書を交わす必要があり、その時にテキスト3冊が支給されました。テキストはA2の時よりも明らかに字が小さくなっています。

ちなみにA2は単語数にして2000語の習得が必要と言われているのに対し、B1は5000語の習得が必要と言われています。

授業がスタートし、先生は陽気なトルコ系3世のオランダ人です。
クラスメートはスペイン、ポルトガル、イタリア、クロアチア、ブルガリア、アルバニア、ギリシャ、トルコ、イラク、モロッコ、インド、フィリピン、ブラジル、リトアニアといった面々。

先生の作り出す雰囲気がよく、本当に仲の良いクラスで2回飲みに行きました。

授業内容はA2で習得した文法をさらに深掘りするいった感じです。A2とハッキリ違うのは、B1では自分の意見をロジカルに述べられることが求められるということです。

ロジカル表現の方法もより多様かつ複雑になり、聞き、読み、書き、話しでその習得ができないとこなせないようにしっかりデザインされています。

 

国家検定(Staatexamen)
昨年の12月にB1の国家検定を受けました。こちらは国が管理している個人情報に紐付くものです。科目は読む、聞く、書く、話すの4つで、丁度この記事がリリースされるころに結果が出ます。

受験費は1科目50ユーロ、4科目で200ユーロ。安くないですが、最初の受験に限り結果発表後、語学学校に申請すれば市から返金されます。

試験はDUO(オランダ教育・文化・科学省教育行政機構というらしい)の試験会場で開催、すべてパソコンで行われました。試験自体は、まあまあひっかけがあり個人的には想定以上に難しかったです。が、何事も傾向と対策があるので、しっかりやればそこまで難しいものではないとも思いました。

 

語学学校に行って役立ったこと
もちろんオランダ社会に前より深くアクセスできるようになったことです。一定レベルでオランダ語での情報収集もできるようになるので、こんな市政サービスやお店があったんだと驚かされることもしばしば。

あとは電車の遅延アナウンスも理解できるので焦らなくなる。税務署からの手紙も大枠は理解できるようになる、警察や公共交通機関のSNSアラートなども読解できるようになる。

さらにカフェなどのお店やマンション内でオランダ語でダイレクトに会話ができるようになり、より親密になれること。海外から移住して今はオランダ語を勉強している、というのはオランダ人からしたらやはりポイント高いようで、地味に良くしてもらえます。

あとはクラスメートからプライベートでの友達に発展するケースもあり、パーティーやイベントなどに誘ってもらえること。昨年夏にトルコに旅行に行ったのですが、オランダに住むトルコ人の友達のツテを活かして、かなり充実した滞在ができたこと。

日本という国に対して憧れをもっている人たちも実際にいるので、彼らが日本に行く時は、同様のことをしてあげたいと思っています。

また、オランダ語が分かるようになると、ドイツ語やデンマーク語、スウェーデン語といったゲルマン言語圏の言葉もなんとなく分かるようになります。

英語も同じゲルマン語圏ですが、オランダ語の方が上記の言語とより親和性が高いので、そういう意味でもマスターする価値があります。

正直、今の環境は市のバックアップがなければ絶対に手に入れられないことだったので、ロッテルダム市には凄く感謝しています。となると高い税金に対しても文句が少なくなるので、そういう意味でも良かったかなと。

 

追伸:
ロッテルダム市で行く語学学校は、お住まいの地域によって決まります。エラスマス河を境に北側の人はAlbedaという語学学校、南側の人はSagennという学校になります。他にもあるそうです。ご参考として以下にURL書いておきます。

 

Albeda: https://www.albeda.nl/

Sagenn: https://www.sagenn.nl/educatie

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