mooi-mooi編集部です。Vol.35号の裏表紙を飾ってくださっている「Amity International school Amsterdam」。モイモイとは、かれこれ5年ほどのお付き合いになります。
「いつでも遊びにきてくださいね」と温かいお声がけをいただき、年初は時間があるということで、2026年1月中頃、学校を訪問しました。
というわけで、Amity International School Amsterdamの学校訪問レポートをお届けします。今後は親しみを込めて、「Amityさん」と呼ばせていただきます。
自然と建築美が調和する学び舎
Amityさんの学び舎は、アムステルフェーンから約2キロ、Amsterdam Zuidから南へ6キロ、アムステルダムセ・ボス近く、De Braakという自然豊かな公園に隣接した場所にあります。
ひときわ目を引く校舎は、ハンガリー出身でのちにアメリカで活躍し、オランダでは旧アメリカ大使館やロッテルダムのBijenkorfなども手がけた建築家、Marcel Breuerによるもの。モニュメント指定を受けている建物でもあるそうです。
予想以上に大きな建物でありながら、低層で横に伸びる強い水平ラインが印象的で、周囲の緑と美しい調和を見せています。
- 学校のエントランス。ワクワクします。
- Primary、Seniorとエントランスを挟んで2つのウィングに分かれています。
48カ国から集まる国際的な環境
建物に一歩足を踏み入れると、天井の高いアトリウムのエントランスが広がります。大きな窓から光が差し込み、学校特有の重々しさはまったく感じられません。子どもたちは、毎日胸をワクワク弾ませて登校しているのだろうな、そんなことを思わせる空間です。
現在、Amityさんに在籍している生徒は約400名。創立時の2018年は生徒さんはたった2人だったそうですが、創立翌年にはPrimaryとSeniorのセクションを設立して施設の充実を図り、現在は3〜11歳(Early Years と Primary Years に区分)、11〜15歳(Middle Years)、16〜18歳(Diploma Programme)と年齢ごとに分かれて学んでいます。
生徒さん400名の国籍を聞いてみたら…、なんと48カ国! 日本人の生徒さんは34人在籍しているそうです。子どもの頃は国籍の違いをあまり意識しないかもしれませんが、異なる文化や価値観に触れる日常は、互いを尊重する感覚が自然に育まれていくのだと思います。
- Amityさんの制服。Primaryはポロシャツのカジュアルなスタイル、Seniorからはシャツを着用する制服になります。
「何を学ぶか」と「どう学ぶか」を支える2つの認定
Amityさんは国際バカロレア(IB/International Baccalaureate)認定校でもあります。IBはスイス・ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構(IBO)が提供する教育プログラムで、世界160以上の国や地域で導入され、国際的な転校や海外大学進学にも対応できることが特徴です。
さらに2026年1月、Amityさんは新たにNew England Association of Schools and Colleges(NEASC) から正式な認定(フル・アクレディテーション)を取得しました。NEASCは、1885年に設立されたアメリカの歴史ある教育認定機関で、世界各国のインターナショナルスクールを対象に、学校運営全体の質を国際基準で審査・認定しています。
IBが「教育プログラムそのもの」に対する認定であるのに対し、NEASCの認定は、生徒のウェルビーイング、教職員体制、学校運営やガバナンス、継続的な改善の仕組みなど、学校全体の基盤を評価します。
この2つの認定により、Amityさんは「何を学ぶか」と「どのような環境で学ぶか」の両面において、国際的な基準を満たした教育機関であることが示されたと言えるでしょう。
Amityの8つの指針
Amityさんは学校の価値を定める「8つの指針」を掲げています。それは、Excellence(卓越性)、Inquiry(探究心)、Innovation(イノベーション)、Communication(コミュニケーション)、Courage(勇気)、Integrity(誠実さ)、Collaboration(協力)、Respect(尊重)。
これらの価値観は、教職員(Respect)、保護者(Courage)、生徒(Integrity)からの意見も取り入れながら形成されたものだそうです。学びとは単に教科書に向かうことではなく、どのような価値観の中で成長していくかが大切だという姿勢が感じられますね。
- Amity International School Amsterdamの指針(コンパス)の8つの価値。
IBが示す「学びのあり方」と、NEASC認定が裏づける「学校としての土台」、そしてAmityさん自身が大切にする価値観。その三つが重なり合うことで、子どもたちが安心して学び、挑戦し、自分らしく成長できる環境が形づくられています。
では、こうした理念や仕組みは、実際の教室ではどのように息づいているのでしょうか。校内を案内していただきながら、日々の学びの現場をのぞいてみました。
(なお、訪れた時間帯はまだ生徒さんがいて賑やかでしたが、写真撮影にあたっては、EUのデータほぞおよびプライバシー規則に従い、生徒さんを避けて撮影しています)
図書室を通ることから始まる一日
まず訪れたのはPrimaryのウィングです。
印象的だったのは、図書室を通って各教室へ向かう動線です。学校の図書室というと、教室と離れたところにある静謐で静かな部屋をイメージします。もちろんそのような特別な空間づくりも大切だと思いますが、Amityさんの場合は、通路として開かれた場所にすることで、図書室は「特別な場所」ではなく、日常の延長線上にある存在になっています。図書室には司書さんも常駐しています。
- Primaryの図書室。カラフルで元気がでます。
- 季節にあわせて本の推薦図書も変わります。
ひとクラスの生徒数多くても24名ほどで、先生、アシスタントティーチャーの2名体制でクラスを受け持っています。Primary Yearsの高学年では、アシスタントティーチャーが同学年の2クラスを担当する形になっています。各教室には月曜から金曜までの時間割が貼っているほか、各教室で決めたテーマに沿って絵を描いて廊下を飾ったりして、「学び」と「遊び」が同居した生き生きとした雰囲気です。
- Primary2年目の教室の様子。
- ある教室のテーマは「Kiwi」。年度初めに生徒たち自身がテーマを決め、Kiwiの絵を描いて盛り上げています。
最年少3~5歳のクラスを見学していたところ、「English as additional language(第2カ国語としての英語)」担当のTarien先生と遭遇し、お話しをお伺いすることができました。
Amityさんでは、英語を母国語としない生徒さんたちの語学サポートもしています。英語に初めて触れる生徒や保護者にとって、「本当に理解できるようになるのか」「話せるようになるのか」と、不安は大きいものです。
Tarien先生は、英語を英語“から”教えるのではなく、生徒の母語と英語のあいだに“架け橋”をつくることを大切にしていると話してくださいました。
「今まで聞いたことも、話したことのない音をいきなり浴びせても理解するのは難しいですし、萎縮してしまうこともあります。慣れ親しんできた言葉と英語の共通点を見つけ、そこをリンクさせて教えていくと、頭にも入ってきやすく、自信にもつながります」
どの国から来た生徒であっても、その子なりの“入口”を探しながら寄り添っていく。その姿勢からは、語学教育以前に、一人ひとりを大切にする学校の姿が感じられました。
- 突然の質問にも丁寧に答えてくれたTarien先生(左)と今回、教室を案内してくれた事務局のJudithさん(右)。
- 3~5歳の教室は遊具もたくさん。
ちょうど最年少クラスが下校の時間を迎えており、子どもたちが一列になって先生の声かけとともに教室を後にしていく様子に本当にほのぼのとしました。
自主性を重んじるSenior
続いて案内していただいたのはSeniorのウィングです。
こちらも図書室を通って入りますが、Primaryとは雰囲気が一転し、落ち着いた空気が漂っていました。
- Seniorウィングの図書館。
- 楽しそうな数学の教室のドア。
Seniorのクラスも少人数制で、およそ24名程度。Primaryでは担任制ですが、Seniorでは生徒が教科ごとに教室を移動し、各教科の専門教師から学ぶスタイルになります。Middle Yearsでは12の教科が用意されており、学年が上がるにつれて、より専門性の高い内容へと進んでいき、最終的にDiploma Programmeへとつながっていきます。
教室や図書室に加え、音楽教室、理科実験室、自習スペースなども整っています。音楽教室と理科実験室にお邪魔してみました。
音楽教室にはウクレレ、ギター、キーボード、ドラムなど多彩な楽器がずらり。授業中のところをお邪魔したのですが、先生とキーボードの練習に励む生徒さん、友達同士で自主練習に取り組む生徒など、それぞれが自分のペースで音楽と向き合っていました。
音楽教室にいた日本人の生徒さん2人に話を聞くと、どの楽器でやるか、何の楽曲を選ぶかは本人に任されており、彼女たちはキーボードによる伴奏を選んだそう。先生の指導を受けながら、発表の日まで楽しくがんばります!と明るい声で答えてくれました。
理科の実験室では、イタリア人のFrancesca先生が翌日に備えて準備をしていました。自分が学生の頃、実験室というと少し怖いイメージがあったことを思い出しましたが、この教室は実験器具も充実していながら、窓が多く明るく開放的。先生が穏やかに説明してくださる様子からも「楽しい実験」として思い出に残るんだろうなあと思いました。
- Seniorの音楽教室。打楽器は教室内の小部屋で防音になっていました。
- 理科実験教室。酸について実験するそうです。
部活と保護者の活動も主役級
充実しているのは施設や授業内容だけではありません。課外活動と保護者同士の活動も盛んだそうです。
部活はスポーツ、ディベート、お料理、アートなど実に80種類! 専門分野のスペシャリストを外部から招いて行われるクラブもあり、教室の外での体験までサポートしてもらえる環境は、さまざまな経験をさせたいと考える保護者にとって心強いはずです。
そして、親同士のつながりも強く、例えば陶芸ができる保護者が、校内で生徒の保護者対象にワークショップを開くなど、コミュニティとしての活動も活発です。お話しを伺った日本人の保護者の方は、親同士で知り合いになれるだけではなく、子どもが授業中に自分も校内にいることで、子どもも安心できると話してくださいました。
- 広い校庭。Primaryの生徒さんのためのプレイグランド。スクールランチを提供するカフェを併設。
- テニスコートや屋外バスケットコートも完備。
ハウス制度が紡ぐ絆
そして、AmityさんはPrimaryからSeniorまで、すべての生徒が所属する「ハウス制度」を取り入れています。
映画『ハリー・ポッター』の世界のように、生徒たちは入学時に4つのハウス(House)に振り分けられます。ここ最近、Seniorの生徒のイニチアティブでハウス名を「Terra」「Aether」「Aqua」「Ignis」というラテン名にしたそうです。「地・空・水・火」というエレメントをテーマにしており、シンボルやモットー、チャント(掛け声)も生徒自身がデザイン、Senior全体の一体感や帰属意識を高めています。年齢や学年の垣根を越えて同じハウスに所属することで、普段は接点の少ない年上・年下の生徒同士が自然と交流できる仕組みになっているのだそう。
ハウスに所属する生徒が思いやりのある行動をしたり、学校生活の中でよい行いが見られた際には、先生からポイントが与えられる仕組みになっているそうです。
たとえば、困っている友達を助けたときや、クラスや学校のために前向きな行動を取ったときなど、日々の何気ない場面での行動が評価されていきます。そして学期末には、もっとも多くのポイントを獲得したハウスがカップを手にすることができるのだとか。競い合うことが目的ではなく、日常の中での小さな思いやりや行動が自然と意識される仕組みになっている点も、Amityさんらしさを感じるところでした。
- Primaryのハウス。週一回、ハウスごとに集まり、テーマについて話し合ったりするそうです。
- Seniorでは毎朝、ハウスごとに集会が行われています。
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1時間強の訪問でしたが、先生や生徒の様子を見ながら、学校全体の空気感を知ることができた時間でした。印象的だったのは、校内ですれ違う生徒さんたちが、見知らぬ訪問者である私にも自然に挨拶をしてくれたこと。それは先生も同じでした。突然質問を投げかけることもありましたが、生徒さんたちは臆することなく、自分の考えを自分の言葉で伝えてくれました。
建物の美しさ、設備の充実度、学びの仕組みはもちろん、ここで教え、学ぶ先生と生徒さんのそうしたオープンな関わり方こそが、Amityさんらしさなのかもしれません。
Amityさんでは、年間を通じて学校見学を受け付けています。入学についても、特定の締め切り日は設けておらず、学年度の途中からでも入学が可能です。
施設などはウェブサイトでも確認できますが、大切なのは、実際に足を運び、校風を「感じる」ことなのだと、今回の訪問を通してあらためて思いました。
インターナショナルスクールを探している保護者の方は、ぜひ一度問い合わせてみてくださいね。
Amity International school Amsterdam
Amsterdamseweg 204 1182 HL Amstelveen The Netherlands
T: +31(0)203454481
enquiries@amityamsterdam.nl





















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